
開放感があり、ご家族とコミュニケーションを取りながら料理ができる、アイランドキッチンに憧れを抱く方は少なくありません。
しかし、実際に導入した方からは「思ったより収納が足りない」という声も聞かれます。
アイランドキッチンは壁から独立しているため、収納計画を立てないと使い勝手の悪くなるので注意が必要です。
この記事では、アイランドキッチンの収納で失敗しやすい理由や、収納不足を解消する具体的な方法、おしゃれで使いやすいアイランドキッチンの実例まで、わかりやすくご紹介します。
注文住宅にアイランドキッチンを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
このコラムのポイント |
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・アイランドキッチンは壁から独立しているため、計画しないと収納不足や生活感が出やすくなります。 ・収納不足は、キッチンの背面に大容量の収納やパントリーを設けることで効果的に解消できます。 ・「見せる収納」の活用やレイアウトの工夫で、おしゃれで使いやすいキッチンを叶えられます。 |
Contents
アイランドキッチンの収納で失敗しやすい3つの理由

なぜアイランドキッチンは収納で失敗しやすいのか、主な理由を3つ解説します。
吊り戸棚などの収納を設置しにくい
アイランドキッチンは、その名の通り「島」のように壁から独立して設置されます。
壁付けキッチンで一般的な吊り戸棚を設置できず、収納スペースが少なくなってしまいます。
デザイン性を重視することで、収納量を十分に確保できないケースも少なくありません。
生活感が出やすく、常に整理整頓が求められる
アイランドキッチンは、全体が常に丸見えになるため、調理器具や食器、食材などが出ていると、LDKの印象が悪くなる場合もあります。
サッと取り出せる位置にしまうなど、収納を工夫しないとキッチンがうまく片付きません。
キッチンに広いスペースが必要
アイランドキッチンを設置するには、キッチンのスペースに加えて、周りに人がスムーズに通れるよう、動線の確保が必要です。
150cm程度の通路幅が必要とされるため、キッチン空間全体にある程度の広さが求められます。
アイランドキッチンの収納不足を解消する方法
ここでは、アイランドキッチンの収納不足を解消する4つの方法をご紹介します。
背面収納を充実させる

アイランドキッチンの収納不足を補うのに効果的な方法が、背面の壁に大容量の収納(カップボード)を設けることです。
食器類はもちろん、炊飯器や電子レンジといった調理家電、食料品のストックまで、キッチン周りのあらゆるものを収納できます。
キッチン本体の収納力を高める
引き出しタイプのキッチン収納は、奥のものまで取り出しやすく、デッドスペースが生まれにくい点が特徴です。
シンク下やコンロ下といったスペースを有効活用し、内部を細かく仕切れるトレーやラックを使えば、調理器具や調味料を効率良く整理できます。
パントリーを設ける

キッチンの近くにパントリー(食品庫)を設けるのも有効な方法です。
常温保存できる食料品や飲料、使用頻度の低い調理器具などをまとめて保管できるため、キッチンがすっきり片付きます。
人が入れるウォークインタイプや壁面を利用した省スペースなタイプなど、さまざまな大きさがあり、ライフスタイルに合わせて設計できます。
「見せる収納」を取り入れる

すべてのものを隠すのではなく、「見せる収納」を上手に取り入れると、おしゃれさと収納力を両立できます。
造作の収納棚や、カゴの種類をすべて統一することで、お気に入りの調理器具や、すぐに使いたいものをおしゃれに飾るのもおすすめです。
色や素材のテイストをそろえることで、統一感が生まれ、カフェのようなおしゃれな空間を演出できます。
おしゃれで使いやすいアイランドキッチンの実例
ここでは、矢島建設工業が手掛けた施工事例から、収納に工夫をこらしたアイランドキッチンをご紹介します。
収納と採光を両立したカップボードのあるキッチン
こちらの事務所併用住宅では、キッチンの背面に、床から天井まで届く大きなカップボードと吊り戸棚を設置して、収納量を確保しました。

▶施工事例:【事務所併用住宅】柱のない大空間LDKと屋上テラス。仕事と暮らし、どちらも快適に
カップボードと吊り戸棚の間には横長の窓を設け、暗くなりがちな手元に明るい光を取り込めるよう配慮しました。
カップボードの一部はオープンスペースになっており、ゴミ箱をすっきりと収納できます。
事務所や店舗を併用した住宅にご興味のある方は、以下の記事もぜひご覧ください。
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ダイニング一体で家事動線に優れたキッチン
こちらは、コンロとシンクが別のカウンターに設置された「II型」と呼ばれるレイアウトのキッチン事例です。

▶施工事例:【吹抜け・3階建て】変形の間取りから生まれる程よい距離感。お手本は海外インテリア
コンロとシンクを分けることで、調理スペースを広々と確保できるだけでなく、キッチン下の収納スペースも充実しています。
キッチンの隣には大容量のパントリーを設け、食料品のストックなどを十分に収納できるようにしました。
熱や油、匂いが発生しやすいコンロを壁側に設置することで、LDK空間への拡散を抑えやすくなります。
シンクカウンターの隣にダイニングテーブルを横並びに配置し、配膳や片付けがスムーズに行える家事動線を実現しました。
大きな背面引き戸収納で叶える「生活感ゼロ」のキッチン
収納の工夫により、生活感を感じさせない空間づくりを徹底したキッチンの事例です。

▶施工事例:【海が見える │ 吹き抜け │ サウナ付き】開放感と非日常を味わう。リゾートの寛ぎを我が家で
広いキッチンスペースを活かし、背面に壁一面の大きな収納を設けました。
コンロの正面には、油はねを防止しつつも開放感を損なわないガラスパネルの設置により、外の景色を眺めながら料理を楽しめます。
また、この事例では開放感のある吹き抜けや、暮らしを豊かにするサウナも取り入れています。
〈関連コラム〉吹き抜けの梁を見せるメリット・デメリットとは?施工事例や設計のポイントも解説
〈関連コラム〉サウナ付き注文住宅のつくり方|理想のサウナアイデアも紹介

アイランドキッチンの収納Q&A

アイランドキッチンの収納について、矢島建設工業がよくいただく質問・回答を紹介します。
Q. おしゃれと使いやすさを両立する収納のコツは?
A. 「隠す収納」と「見せる収納」のバランスを考えることが大切です。
お気に入りの家電やデザイン性の高いケトルなどは、あえてカウンターの上やオープン棚に「見せる収納」として置くことで、空間のアクセントになります。
収納ボックスや調味料入れなどのアイテムは、色や素材を統一することで、全体がすっきりとした印象になります。
Q. 調味料やゴミ箱はどこに置くのがおすすめ?
A. 調味料は、調理中にサッと取り出せるコンロ近くの引き出しや、壁面に設けた造作棚に収納するのが便利です。
ゴミ箱は、生活感が出やすいため、背面収納のカウンター下など、外から見えにくい場所に設置しましょう。
キャスター付きのワゴンタイプを選べば、調理中は手元に引き寄せ、使わない時は奥に収納できます。
計画段階で、分別用のゴミ箱を複数置けるスペースを確保しておくことが後悔しないためのポイントです。
まとめ
デザイン性が高く開放的なアイランドキッチンは、多くの人にとって憧れの存在です。
しかし、アイランドキッチンの特性上、収納計画を立てなければ「収納が足りない」「常に散らかっている」といった後悔につながりかねません。
理想のキッチンづくりで迷った時は、さまざまな住まいづくりをお手伝いしてきた「矢島建設工業」にお気軽にご相談ください。


