
敷地が限られていても快適に暮らせる“小さい家の二階建て”に注目が集まっています。
限られたスペースを活かす間取りの工夫が、後悔しない家づくりに欠かせません。
本記事では、小さい二階建ての設計ポイントやメリット・家づくりの進め方などを解説します。
吹き抜けやロフトの活用法・収納アイデアなど、ご家族のライフスタイルに合わせた間取りのヒントをご紹介します。
「小さい家でも理想の住まいを叶えたい」とお考えの方は、ぜひ最後までごらんください。
このコラムのポイント |
---|
・小さい家の二階建てには、コスト削減や家事動線の短縮、土地選びの幅が広がるといったメリットがあります。 ・小さい家でも快適に暮らすには、間仕切り削減や吹き抜けの活用などの間取りの工夫が効果的です。 ・間取りポイントにて、小さい家で豊かな暮らしを実現する方法をご紹介します。 |
Contents
- 1 小さい二階建てのメリット|コストや家事動線・土地の選択肢など
- 2 小さい二階建てのデメリット|音が響きやすい・家具配置の制限など
- 3 小さい家の二階建ての間取りポイント10選
- 3.1 ポイント1:間仕切りを減らし空間を広く見せる
- 3.2 ポイント2:吹き抜け・リビング階段で開放感を演出する
- 3.3 ポイント3:廊下を最小限にして居住スペースを大きくする
- 3.4 ポイント4:大きな窓・高窓で採光と風通しを確保する
- 3.5 ポイント5:階段下のデッドスペースを収納やワークスペースに活用する
- 3.6 ポイント6:梁見せ天井・勾配天井で広く見せる
- 3.7 ポイント7:造作収納でスペース効率を上げる
- 3.8 ポイント8:ロフト・スキップフロアでスペースを作る
- 3.9 ポイント9:多機能な空間でスペースを有効活用する
- 3.10 ポイント10:ルーフバルコニーで広々とした空間を確保する
- 4 小さい家づくり計画の進め方|失敗談から学ぶこと
- 5 まとめ
小さい二階建てのメリット|コストや家事動線・土地の選択肢など

小さい家の二階建ては、限られた面積でありながら、間取りの工夫によって快適な暮らしを実現できる魅力的な住まいです。
小さい家の二階建てのメリットは以下の6つです。
- ・初期コストを抑えられる
建築面積が小さいため、基礎工事や屋根工事などの費用が少なく済む。 - ・光熱費を削減できる
冷暖房が必要な空間が小さくエネルギー消費量が抑えられるため、光熱費の節約につながる。 - ・動線が短くなり家事や生活が効率的になる
移動距離が短くなり、掃除や料理など日常の家事負担が軽減される。 - ・家族とコミュニケーションが取りやすい
コンパクトな空間で生活するため、ご家族の気配を感じやすく、自然と会話が生まれやすい環境になる。 - ・掃除や片付けが楽になる
広い家に比べて掃除の範囲が限られるため、家事の時間を短縮できる。 - ・土地の選択肢が広がる
小さな敷地でも二階建てにすれば十分な居住面積を確保できるため、立地条件の良い狭小地も選択肢に入る。
小さい二階建てのデメリット|音が響きやすい・家具配置の制限など

小さい二階建ての家には多くのメリットがある一方で、生活スタイルや家族構成によっては考慮すべき点もあります。
- ・収納スペースが不足しやすい
限られた面積の中では十分な収納スペースを確保するのが難しく、物が増えると狭く感じる原因になる。 - ・プライベート空間の確保が難しい場合がある
コンパクトな間取りでは個室が小さくなりがちで、ご家族がそれぞれの時間を過ごせる空間づくりに工夫が必要になる。 - ・生活音が響きやすい
リビングと各居室の距離が近くなりやすいため、階段の足音やドアの開閉音など、 生活音が伝わりやすい。 - ・圧迫感が出やすい
限られた空間に必要な機能を詰め込むと、圧迫感につながることがある。 - ・家具のサイズやレイアウトに制限が出やすい
部屋のサイズに合わせた家具選びが必要となり、家具配置の自由度が下がる。
小さい家の二階建ての間取りポイント10選

小さい家の二階建てで快適に暮らすためには、限られた空間を活かす工夫が欠かせません。
ここでは、小さい家の間取りポイントを10個ご紹介します。
ポイント1:間仕切りを減らし空間を広く見せる
部屋の間仕切り壁を減らすことで、視線が抜けて開放的な印象を与えられます。
可動式の間仕切りや家具で緩やかに分ける方法も効果的です。
必要に応じて仕切ったりつなげたりできるため、状況に応じた空間活用が可能です。
また、間仕切りにガラス建具を使用すれば、戸を閉めた状態でも視線が抜けるので広がりを感じられます。
すりガラス仕様にするとプライバシーを確保しながらも、開放感のある空間になります。
ポイント2:吹き抜け・リビング階段で開放感を演出する

小さい二階建ての家では吹き抜けを設けることで、コンパクトな空間でも開放感を演出できます。
LDKの中に設置されたリビング階段はご家族の気配を感じやすくなり、コミュニケーションも自然と生まれやすくなります。
また、光や視線が抜けるスケルトン階段にすることで、階段の裏側にも光が届き明るい空間になります。
吹き抜けとリビング階段を組み合わせれば、小さい家でも開放的な空間が可能です。
ポイント3:廊下を最小限にして居住スペースを大きくする
廊下は通路としての機能しか持たないため、小さい家では極力減らすことが大切です。
部屋から部屋へ直接行き来できる間取りにすることで、実際の床面積以上の広さを感じられます。
たとえば、玄関から直接リビングに入る間取りにして、玄関ホールを減らす方法などがあります。
どうしても廊下を作る必要がある場合は、壁面に奥行きの浅い収納を設けて、収納スペースを兼用するのが効果的です。
ポイント4:大きな窓・高窓で採光と風通しを確保する

窓の効果的な配置により、狭い空間でも明るく風通しの良い住まいになります。
小さい二階建ての家では吹き抜けに大きな窓を設けるなど、窓の位置や大きさを工夫することで、自然光をできるだけ室内に取り込んで開放感を演出できます。
壁の天井付近に高窓を設ければ、部屋の奥側まで光が届きやすくなります。
近隣からのプライバシーに配慮が必要な場所でも、高窓は外からの視線を気にせず光と風を取り入れるのに有効です。
ポイント5:階段下のデッドスペースを収納やワークスペースに活用する
住宅を建てる際、思っていたよりも収納が足りなくなるケースをよく見ます。
小さい二階建ての家では、階段下のスペースを収納やワークスペースとして活用するのがおすすめです。
収納として使う場合でも、扉を設けずに階段下のスペースを空けておくと使い勝手が良くなります。
階段下にカウンターとチェアを設置すればコンパクトな在宅ワークスペースになり、物が増えてきた場合には、収納場所にもなります。
ポイント6:梁見せ天井・勾配天井で広く見せる

天井の高さや形状を工夫することで、小さい二階建ての家でも広がりを感じられます。
梁を隠さず見せる「梁見せ天井」は天井までの距離が遠く感じられ、開放感のある空間になります。
また、屋根の形に合わせて斜めになっている「勾配天井」は、視線が上に誘導され空間に奥行きが生まれるのです。
勾配天井では、高い部分に窓を設けやすく、明るさと開放感が増します。
ポイント7:造作収納でスペース効率を上げる
既製品の収納家具はたくさんの種類がありますが、自宅にピッタリと合うものは中々ありません。
そこで効果的なのが、空間に合わせたオーダーメイドの造作収納です。
壁面全体を使った大容量の収納は、床面積を取らずに多くの物を収納できる点がメリットです。
廊下の壁面の薄型収納は、廊下の幅を確保しながらも日用品のストックを見やすく収納できます。
また、既製品の収納ではなく建物と一体化した造作収納にすることで、すっきりとした印象の空間になり、小さい家でも広く感じられます。
ポイント8:ロフト・スキップフロアでスペースを作る

ロフトやスキップフロア(※)を取り入れることで、限られた面積でも空間を広く見せられます。
※スキップフロア:1階と2階の間に「中2階」のような高さの違うフロアを作った間取りのこと
ロフトは寝室や書斎、収納スペースとして活用できます。
天井の高さを十分に取ることで、圧迫感のない心地良い空間になります。
また、スキップフロアを設けることで視線の抜けや空間の変化が生まれ、小さい家でも広がりのある空間づくりが可能です。
リビング上部のロフトを書斎にして、仕事とプライベートの空間を分ける方法もあります。
ダイニングよりリビングを半階上げて開放感を出すのもおすすめです。
ポイント9:多機能な空間でスペースを有効活用する
小さい家の空間を有効的に使うには、1つの空間に複数の機能を持たせる「多機能空間」の考え方が重要です。
キッチンの一角にデスクを設ければ、お子様が宿題をする場所や、平日昼間の在宅ワークの場所としても活用できます。
他にも和室はゲストルームやお子様の遊び場、家事スペースとして活躍します。
将来ご家族が増えることも考慮した設計にすることで、ご家族の成長やライフスタイルの変化に合わせて柔軟に対応可能です。
ポイント10:ルーフバルコニーで広々とした空間を確保する
外でくつろぐスペースが欲しいけど、敷地が小さく中庭は作れない場合に有効なのが、ルーフバルコニーです。
屋上に設けたバルコニーは、限られた敷地でも外部空間を確保できる方法です。
ルーフバルコニーは、家庭菜園やバーベキュー、DIYのスペースなど多目的に活用できます。
小さい家づくり計画の進め方|失敗談から学ぶこと

ここでは、小さい家づくりの進め方と、よくある失敗から学ぶポイントを解説します。
理想の暮らしを具体的にイメージする
小さい家づくりでは最初に、ご家族でどのように暮らしたいのかを具体的にイメージしてください。
ご家族それぞれの生活習慣や趣味、将来の変化なども考慮して検討します。
たとえば「朝は家族そろってダイニングで食事をしたい」「夜は子どもが寝た後にリビングで映画を観たい」など、日常の過ごし方を思い描いてみましょう。
具体的な暮らしをイメージできると、限られた面積の中で優先すべき機能や空間が明確になり、後悔の少ない家づくりにつながります。
収納計画を優先して立てる
小さい家の失敗でよく聞くのが「収納が足りない」というものです。
家の収納スペースの理想的な割合は、一般的に「収納率(※)」という指標で表されます。
※収納率とは、家の延床面積に対する収納部分(クローゼット・押入れ・納戸など)の面積の割合のこと
戸建て住宅の収納率は10~15%が標準です。
しかし、限られた面積の中で生活スペースを確保しようとするあまり、収納スペースを削って物があふれるケースが少なくありません。
ご家族のライフスタイルや趣味を確認し、必要な収納量を把握しましょう。
クローゼットや押入れなどの収納だけでなく、階段下や壁面を活用した造作収納なども含めて計画することで、小さい家でも十分な収納力を確保できます。
土地の条件を確認し、建てられる家の大きさを把握する

住宅は、建ぺい率や容積率・道路斜線制限など、さまざまな法的制限によって建てられる家の大きさや形状が決まります。
このような制限を踏まえ、敷地の形状や向き、周辺環境なども確認し、条件に最適な家のプランを考えることが大切です。
条件をきちんと把握せずに理想だけを追求すると、後から設計変更が必要な場合もあります。
小さい家づくりが得意な会社を選ぶ
小さい家づくりは一般的な住宅とは異なる工夫やノウハウが必要なため、実績が豊富な住宅会社を選ぶことが大切です。
気になる会社のウェブサイトで施工事例をチェックし、真似してみたい小さい家の実績があるかを確認しましょう。
また、打ち合わせを通じて、自分たちの希望や優先順位をきちんと理解してくれるかどうかもポイントです。
小さい家づくりが得意な会社を選ぶことで、最適な提案が得られる可能性が高まります。
まとめ
小さい家の二階建ては、コストやメンテナンスの負担を減らしながらも、工夫次第で快適な暮らしを実現できる住まいです。
15坪や25坪などの面積でも、土地の特性を活かした設計や限られた空間の有効活用により、豊かな住空間は可能です。
矢島建設工業は、狭小地や変形地などに建つ小さい家づくりを得意としています。
神奈川県横浜市を中心に、100年以上の歴史で培ってきた技術力や施工体制を活かし、お客様のご要望を叶える注文住宅をご提案いたします。
土地探しや間取り・デザイン・資金計画など、住まいづくりのことなら、なんでもお気軽にご相談ください。


