
不整形地とは、正方形や長方形ではない、いびつな形をした土地のことです。
土地探しにおいて「形が悪いから使いにくい」と避けられがちですが、土地代を抑えながら理想のマイホームを実現できる方法として注目されています。
三角形の土地や傾斜地など、形状はさまざまですが、設計の工夫次第で個性的で住みやすい家を建てることも可能です。
デメリットをカバーする設計の工夫や工務店選びの要点を押さえると、変形地ならではの満足度の高い住まいを叶えられます。
| このコラムのポイント |
|---|
| ・不整形地は、整形地よりも価格を安く抑えられるため、建物や内装のこだわりに予算を回せます。 ・土地の形状を活かした設計により、個性的でプライバシーを確保した住まいが叶います。 ・不整形地の制約を強みに変えるには、変形地の実績が豊富な工務店選びが大切です。 |
不整形地とは

不整形地とは、四角形ではない変形した形状の土地を指し、三角形・旗竿状・台形・L字型などさまざまな形があります。
一般的に整形地は建物を配置しやすく人気がありますが、不整形地は形状に制約があるため、市場での評価が低くなる傾向があります。
しかし、土地代が抑えられるため、予算を有効活用したい方にはおすすめです。
整形地との違いを理解し、ご家族の暮らしに合った土地選びを考えてみましょう。
<整形地と不整形地の違い>
| 比較項目 | 整形地 | 不整形地 |
| 形状 | ・正方形 ・長方形 |
・三角形 ・旗竿状 ・台形 ・L字型 など |
| 建物の配置 | しやすい | 工夫が必要 |
| 市場価格 | 高い | 割安 |
| 設計の自由度 | 規格住宅も対応可 | オーダーメイド設計向き |
不整形地の主な種類

不整形地には主に以下4つの形状があり、それぞれに特徴と注意点があります。
- ・旗竿地(はたざおち)
- ・三角形・台形・平行四辺形の土地
- ・L字型の土地
- ・傾斜地・がけ地
旗竿地(はたざおち)
旗竿地は、道路に接する部分が狭い通路状になっており、奥に広がった土地が竿の先についた旗のような形をしています。
道路から奥まった位置に建物を建てることになるため、静かな環境を確保しやすい点が特徴です。
ただし、通路部分は駐車スペースやアプローチとして活用する場合が多く、建物の配置には工夫が必要になります。
重機が入りにくい場合もあるため、建築時のコストには注意が必要です。
旗竿地は静かな環境が魅力ですが、一方で「やめておけばよかった」と後悔する声があるのも事実です。
検討を深めるために、旗竿地特有の注意点と対策をこちらで詳しく解説しています。
〈関連コラム〉旗竿地は「やめとけ」「最悪」と後悔する理由7選|対策やメリットもご紹介
三角形・台形・平行四辺形の土地
三角形や台形、平行四辺形の土地は、角の鋭い部分や斜めのラインがあるため、一般的な四角い間取りをそのまま採用することが難しい形状です。
角度の狭い角はそのままでは居室として使いにくいため、収納や庭、玄関ポーチとして活用する工夫が求められます。
一方で、独特の形状を活かした設計により、他にはない個性的な住まいを実現できます。
L字型の土地
L字型の土地は、敷地が直角に折れ曲がった形状をしています。
四角い土地に比べて建物の配置に制限がありますが、敷地の形に沿って建物をL字型にする設計が可能です。
中庭を設ければ、プライバシーを保ちながら光と風を室内に取り込めます。
傾斜地・がけ地
傾斜地やがけ地は、地面に高低差がある土地です。
眺望の良い高台や斜面に位置する立地も多く、景色を楽しみながら暮らしたい方に人気があります。
ただし、造成工事や擁壁工事など、平らな土地にはないコストがかかる場合があります。
建物の基礎設計にも専門的な知識が求められるため、傾斜地での施工実績が豊富な工務店に依頼するのがおすすめです。
高低差のある土地では、土留めとなる「擁壁」の状態が建築コストや安全性に直結します。
購入後に思わぬ出費を招かないためのチェックポイントについて、こちらで解説しています。
〈関連コラム〉擁壁のある土地はやめた方がいい?後悔を防ぐ購入時のチェックポイント
不整形地のメリット

不整形地には、整形地にはない魅力が4つあります。
- ・土地代が安い
- ・税金を抑えられる
- ・個性的な家づくりができる
- ・奥まった土地は、静かな住環境を確保しやすい
土地代が安い
不整形地は整形地に比べて需要が低いため、市場価格が割安になる傾向があります。
同じエリアでも、形状が不整形というだけで価格が下がる場合があるため、予算を抑えたい方にはメリットです。
土地にかける費用を抑えた分、建物本体や内装、設備に予算を回せます。
税金を抑えられる
不整形地は土地の形状による補正がかかるため、固定資産税評価額や相続税評価額が整形地よりも低くなる傾向があります。
毎年の固定資産税や、将来の相続時の税負担を軽減できる点は、長期的な視点で見ると大きなメリットです。
購入時の価格だけでなく、維持費や将来のコストも含めて検討することをおすすめします。
個性的な家づくりができる
変形地ならではの形状を活かせば、他にはない個性的な住まいを実現できます。
斜めになった角の部分をバルコニーや書斎コーナーにしたり、変形部分を中庭として取り込んだりと、アイデア次第で魅力的な空間が生まれます。
「この土地だからこそ建てられた家」という満足感を得られるのも、不整形地ならではの魅力です。
旗竿地は静かな住環境を確保しやすい
旗竿地のように道路から奥まった位置に建物を建てられる土地では、通行人の視線や車の騒音が届きにくくなります。
道路から奥まっているため車の走行音が届きにくく、静かで落ち着いた暮らしを求める方に適しています。
不整形地のデメリット

不整形地にはメリットがある一方で、以下の5つに注意が必要です。
- ・デッドスペースが生まれやすい
- ・建築コストが割高になりやすい
- ・住宅ローンの審査が厳しくなる
- ・売却しにくい
- ・設計・法規制の制約がある
デッドスペースが生まれやすい
三角形の土地の尖った角の部分や、旗竿地の細い通路部分など、居住スペースとして有効活用しにくいデッドスペースが生まれやすくなります。
設計の段階でこうしたスペースをどう使うかの検討が求められます。
収納や庭、自転車置き場など、暮らしに役立つ用途に活かす工夫をしましょう。
建築コストが割高になりやすい
不整形地では、敷地の形状に合わせた設計が必要です。
また、通路が狭くて重機が入れない場合は、手作業での解体や資材の運搬が必要となり、追加費用が発生する場合があります。
水道やガスなどライフラインの引き込み距離が長くなれば、その分の工事費も上乗せされます。
土地代が安くても、建築費が高くなる場合があることを念頭に置いておきましょう。
<建築コストが上がりやすいケース>
- ・重機が入れず手作業での解体・運搬が必要
- ・水道・ガスなどライフラインの引き込み距離が長い
- ・土地形状に合わせた特殊な設計・施工が必要
- ・傾斜地の場合は造成工事や擁壁工事が発生
建築コストを把握するうえで、形状と併せて確認したいのが“地盤の強さ”です。
こちらで地盤改良が必要になった際のリスクや、軟弱地盤の見分け方について詳しく解説しています。
〈関連コラム〉地盤改良や杭打ちの必要性は地盤調査でわかる|しないリスクや軟弱地盤の見分け方
住宅ローンの審査が厳しくなる
不整形地は金融機関による担保評価が低くなる傾向があるため、住宅ローンの借入可能額が減ったり、自己資金を多く求められたりする場合があります。
事前に複数の金融機関に相談し、資金計画を立てておきましょう。
売却しにくい
特殊な形状の土地は買い手が限定されるため、将来売却する際に時間がかかったり、希望価格での売却が難しくなったりする場合があります。
将来の住み替えを想定していない方であれば問題ありませんが、住宅の資産性を意識する方は考慮に入れて検討しましょう。
設計・法規制の制約がある
不整形地では、既製品の規格住宅がそのまま建てられないことがあり、土地形状に合わせたオーダーメイドの設計が必要になります。
また、斜線制限などの法的制約により、建て替えができない「再建築不可」のリスクを抱えている土地もあります。
購入前に、建築可能かどうかを工務店に確認しておきましょう。
不整形地で家を建てるポイント

不整形地で満足のいく家を建てるには、設計の工夫と信頼できる工務店選びが欠かせません。
ここでは、家づくりを成功させるための2つのポイントをお伝えします。
不整形地を活かした設計の工夫が必要
不整形地の形状を無理に矯正しようとするのではなく、その特性を活かした設計がポイントです。
リビングやダイニングなど主な部屋は四角く配置し、尖った角の部分や変形部分は収納・玄関・中庭・書斎コーナーなどを配置すると、無駄なく空間を使えます。
隣家が近い場合は、壁の窓だけでなく天窓や高窓を活用して、上から光を取り入れる工夫も効果的です。
中庭を設ければ、プライバシーを守りながら光と風を確保できます。
スキップフロアや吹き抜けを採用すれば、廊下を減らして床面積以上に広く感じさせる視覚効果も期待できます。
工務店選びで住み心地が決まる
不整形地での家づくりは、規格が決まっている大手ハウスメーカーよりも、土地の形状に合わせて柔軟に設計できる工務店に依頼するのがおすすめです。
変形地や傾斜地など難しい条件の土地で施工実績が豊富な会社を選ぶことで、設計者のアイデアと技術を活かした住み心地の良い家が実現します。
<工務店選びのチェックポイント>
- ・不整形地・変形地での施工実績が豊富か
- ・土地の形状に合わせた柔軟な設計提案ができるか
- ・現地調査を徹底し、隣家の状況や日照を把握した提案をしてくれるか
- ・傾斜地や旗竿地など、特殊な条件に伴う追加費用の説明が明確か
- ・デザイン性だけでなく、構造計算に基づいた耐震性能を確保しているか
- ・実際の施工事例を見て、細部の仕上げや品質に納得できるか
まとめ
不整形地は、形状がいびつという理由で敬遠されがちですが、土地代を抑えながら個性的な住まいを実現できるメリットがあります。
旗竿地、三角形の土地、傾斜地など種類はさまざまですが、それぞれの特性を理解し、デメリットへの対策を講じることで、満足度の高い家づくりが叶います。
設計の工夫次第で、デッドスペースの有効活用や、日当たりや風通しの確保も可能です。
土地のポテンシャルを最大限に引き出す家づくりは、神奈川県を中心に一都三県でさまざまな住まいづくりをお手伝いしてきた「矢島建設工業」にお気軽にご相談ください。



