高気密高断熱の住宅の湿度が下がらないのは「隙間がない」から|湿気対策や快適な湿度を保つ設計も解説|横浜|矢島建設工業

「高気密高断熱の住宅は湿度が下がらない」と聞き不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

高気密高断熱住宅は省エネ性能に優れる一方で、気密性の高さから湿気がこもりやすい点が特徴です。

この記事では、高気密高断熱住宅で湿度が下がらない理由と効果的な湿気対策、快適な湿度環境を実現する設計のポイントをわかりやすく解説します。

理想のマイホーム選びで後悔しないために、ぜひ最後までごらんください。

 

このコラムのポイント
・高気密高断熱住宅は室内の湿気がこもりやすく、換気しなければ日常生活で発生する水蒸気が排出されません。
・24時間換気システムの運転や除湿機の活用で、快適な環境を維持できます。
・新築の設計段階で換気計画や調湿建材を検討することで、湿度管理が可能です。

 

高気密高断熱住宅の湿度が下がらない理由

高気密高断熱住宅の湿度が下がらない理由|横浜|矢島建設工業

高気密高断熱住宅で湿度が下がらない主な原因は、住宅の気密性の高さにあります。

家の気密性が高く、湿気がこもりやすい

日常生活では、以下から多くの水蒸気が発生します。

  • ・人の呼吸や汗
  • ・調理時の蒸気
  • ・入浴時の湯気
  • ・洗濯物の室内干し
  • ・食器洗い乾燥機や洗濯乾燥機からの水蒸気
  • ・観葉植物からの水の蒸発

従来の住宅では湿気が隙間から自然と排出されますが、高気密住宅では室内に留まりやすくなります。

とくに冬場は外気温との差により、室内の湿気が逃げにくい状況が続きます。

窓を開ける換気は一般的ですが、じつは梅雨時期や夏場の高湿度な日には逆効果です。

外気の湿度が80%を超える日に窓を開けると、室内よりも湿度の高い空気が流入し、かえって室内の湿度を上昇させます。

高気密高断熱住宅の湿気対策

高気密高断熱住宅の湿気対策|横浜|矢島建設工業

効果的な湿気対策で、高気密高断熱住宅でも快適な湿度環境を維持できます。

24時間換気システムを止めない

2003年以降、設置が義務付けられている24時間換気システムは、2時間あたりに住宅全体の空気をすべて入れ替える能力を持っています。

計画的な換気により室内の空気質を安定させます。

高気密住宅では、24時間換気システムが室内で発生した湿気や汚染物質を排出するのに欠かせません。

換気を止めると湿気の逃げ場がなくなり、結露やカビの原因になるだけでなく、シックハウス症候群のリスクも高まります

24時間換気システムの消費電力は1日あたり約10〜20円で、常時運転させることで安定した室内環境を保てます。

定期的なフィルター掃除

定期的なフィルター掃除|横浜|矢島建設工業

給気口や排気口のフィルターが目詰まりすると、換気量の低下により、設計どおりの換気ができなくなります。

【対策】

  • ・掃除機でホコリを吸い取る
  • ・汚れがひどい場合は中性洗剤で洗う

本来の性能を維持するため、製品の取扱説明書に従い、2~3か月に1回を目安に掃除しましょう。

除湿機・エアコンのドライ機能を使う

洗濯物の室内干しスペース・クローゼット・押入れなどの湿気がこもりやすい場所では、除湿機を使って除湿するのが有効です。

【対策】

  • ・洗濯物の下に置き、衣類から出る水分を効率的に回収
  • ・梅雨など部屋の湿度が高い日は、エアコンのドライ機能を使用

ドライ機能は冷房よりも電気代が安く、除湿しながら適度に室温も下げてくれるため、ジメジメした日におすすめです。

料理・入浴時は換気扇を回す

調理や入浴時には多くの水蒸気が発生します。

【対策】

  • ・調理中はレンジフードを強運転し、調理後も15~20分間は運転を続ける
  • ・煮込み料理や麺類を茹でる際は、普段より長めに換気扇を回す
  • ・入浴後も浴室換気扇の運転を続ける
  • ・浴室ドアは閉めたままにして他の部屋への湿気が広がるのを防ぐ

高気密高断熱住宅の快適な湿度を保つ設計ポイント

高気密高断熱住宅の快適な湿度を保つ設計ポイント|横浜|矢島建設工業

新築時の設計段階で湿度管理を考慮することで、より快適な住環境を実現できます。

換気経路を計画する

空気がよどむ場所を作らないことが、カビや結露の防止に欠かせません。

新鮮な空気の給気口と、汚れた空気の排気口をバランスよく配置し、空気が住宅全体を循環するような経路を作ります。

一般的に、給気は居室(リビング、寝室)で行い、排気は水回り(浴室、洗面所、トイレ)で行います。

押入れやクローゼットなどの収納スペースは湿気がこもりやすいため、小さな通気口で空気の流れを作り、湿気の滞留を防ぎます

室内干しの湿気対策をする

共働き世帯の増加により、室内干しのニーズは年々高まっています。

ランドリールームなどの室内干しのスペースを設ける場合は、除湿機やサーキュレーターの併用を前提として、設置スペースやコンセントを確保します。

ランドリールームを設けない場合、浴室に換気乾燥暖房機を導入することで、洗濯物の乾燥室としても活用可能です。

浴室換気乾燥暖房機は、4~6時間で5kg程度の洗濯物を乾燥させる能力を持っています。

調湿性能のある建材を取り入れる

自然素材は内部に細かな穴を多数持っており、湿度が高い時には空気中の水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出する調湿作用を発揮します。

自然由来の調湿建材は主に以下の3つです。

  • ・珪藻土:優れた調湿性能を持ち、湿度の急激な変化を和らげる
  • ・漆喰:抗菌・防カビ効果もあり、清潔な室内環境の維持にも効果がある
  • ・無垢の木材:樹種によって調湿能力が異なり、杉や桧などは性能に優れる

ただし、調湿建材だけで家全体の湿度はコントロールできません。

換気や除湿設備を補う「補助的」な役割と捉え、メインの対策との組み合わせが必要です。

高気密高断熱住宅の湿度に関するQ&A

高気密高断熱住宅の湿度に関するQ&A|横浜|矢島建設工業

矢島建設工業がよくいただく、高気密高断熱住宅の湿度に関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q. エアコンは24時間つけっぱなしにしないとダメ?

外気温が低い時期や湿度が安定している時期は、エアコンの24時間運転は必須ではありません

ただし、室内湿度が60%を超える場合は、除湿機能の活用が効果的です。

梅雨時期や夏場の高湿度な時期は、連続運転により安定した除湿効果が得られるためおすすめです。

電気代が抑えられる、消費電力が低いエアコンも多く登場しています。

Q. 結露やカビは発生しない?

高気密高断熱住宅でも、対策を怠ると結露やカビは発生します。

とくに以下の場所は注意が必要です。

  • ・家具の裏側や壁との隙間
  • ・押入れやクローゼットの奥
  • ・浴室や洗面所の換気が不十分な箇所

カビの発生条件は、温度20〜30℃・湿度70%以上・栄養源(ホコリや汚れ)の3つがそろった環境です。

定期的な清掃と適切な換気・除湿により、発生リスクは軽減できます。

また、家具は壁から5cm以上離して設置し、空気の流れを確保するのも有効です。

まとめ

高気密高断熱住宅で湿度が下がらない原因は、優れた気密性により湿気がこもりやすいことです。

しかし、24時間換気システムの適切な運用・エアコンの除湿機能の活用などの対策で快適な湿度を維持できます。

湿度管理は住宅の快適性だけでなく、健康維持や建物の耐久性向上にも有効です。

矢島建設工業では、長年培った住宅建築の経験と高気密高断熱住宅に関する専門知識を活かし、お客様の快適な住環境づくりをトータルサポートいたします。

換気システムの設計・施工や、室内環境を最適化する断熱・気密性能の確保まで、健康で快適に暮らせる高性能住宅をご提案いたします。

ぜひお気軽にご相談ください。

 

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