造作キッチンのタイルカウンター

 

造作キッチンは、おしゃれなデザインや、ご自身の料理スタイルにあわせた使い勝手にこだわりたい方におすすめの選択肢です。
造作によって、素材や設備、サイズなどを自由に選べて、おしゃれで使いやすいキッチンをつくれるのは大きなメリットです。
一方、オーダーメイドであるため、価格の高さや使い勝手に関する失敗など、デメリットや注意点も気になります。
そこでこの記事では、造作キッチンの基礎知識と、メリット・デメリット、後悔を防ぐ対策まで詳しく解説します。

このコラムで分かること

  • デザイン性や使い勝手はもちろん、修理しながら長く使えるのも造作キッチンの魅力です。
  • 初期費用の高さや素材・設備選びの大変さなど、造作キッチンには注意すべきデメリットもあります。
  • 造作キッチンを選ぶ目的や理由、予算やプランの考え方など、後悔を防ぐポイントは複数あります。

 

造作キッチンとは|おしゃれな実例をチェック

造作キッチンの施工事例

造作キッチンとは、既製品を組み合わせるのではなく、間取りや暮らし方にあわせて1からつくるオーダーメイドのキッチンのことです。
サイズも素材もデザインも自由に決められるため、「ここにこの高さで」「この素材で」という要望をそのまま形にできます。
まずは実際の施工実例から、造作キッチンがどんなものかを見ていきましょう。

おしゃれな造作キッチン

▼造作キッチンのある家の詳細を見る

このお住まいは、多角形の空間にあわせて5面に折れ曲がった形で造作したキッチンが設けられています。
壁の角度に沿って配置されたキッチンとタイル、正面の3つの上げ下げ窓が、異国のような雰囲気で気分を高めてくれます。

おしゃれな造作キッチン

この造作キッチンは、壁面もワークトップもすべてタイル張りです。
人工大理石やステンレスの天板とは異なる、手仕事ならではの質感が空間を華やかに彩ります。
ところどころに埋め込まれたひまわりのアクセントタイルも、ふと目に入るたびに心が弾む、遊び心のある仕上げです。
さらに、中央の浮島のような独立したワークトップも、造作キッチンならではの配置です。
サブシンクを備えているため、壁側で作業しながら、振り向いてもう1つの作業台を使って効率的に料理できます。
複数人で料理をしても動線がぶつからず、配膳や下ごしらえのスペースにも余裕が生まれます。

造作洗面台

このお住まいでは造作の手洗いにも同じタイルを使用し、家全体に一体感が生まれました。
離れた場所にある水まわりを同じ素材でつなぐことでデザインを整えられるのも、造作キッチンならではの利点です。

造作キッチンとシステムキッチンの違い

注文住宅の造作キッチン

造作キッチンとシステムキッチンの違いは、主に次の3点です。

造作キッチン システムキッチン
製造元 施工会社 設備メーカー
つくり方 大工・職人が手作業でつくる 工場生産の規格ユニットを組み合わせる
選び方 素材・設備を1つずつ選ぶオーダーメイド カタログから選ぶセミオーダー

造作キッチンは、住まいにあわせて設計し、職人の手作業で1からつくるキッチンです。
天板やキャビネットなどの素材の制約が少なく、シンクやコンロ、食洗機などの設備もメーカーの枠にとらわれず選びやすくなります。
一方システムキッチンは、設備メーカーが規格化したユニットを工場で生産し、現場で組み合わせるキッチンです。
決められた寸法から選び、扉の色や収納の仕様、機器のグレードをカタログの中から決めていきます。
造作キッチンは「手仕事の1点もの」、システムキッチンは「工業製品」とイメージすると分かりやすいです。
造作キッチンの方が自由度が高くメリットが多いイメージがあるかもしれませんが、システムキッチンにも良い部分はあります。
どちらがマッチするかは人それぞれなので、次の章から造作キッチンのメリット・デメリットを1つずつ見ていきましょう。

造作キッチンのメリット

注文住宅の造作キッチン

素材や設備、サイズを自由に選べる造作キッチンには、次のようにさまざまなメリットがあります。

世界に1つだけのオリジナルキッチンをつくれる

素材もデザインも自由に選べるため、既製品にはない自分だけの1台をつくれるのは造作キッチンの大きなメリットです。
システムキッチンも天板や扉などの素材を選ぶことはできますが、組み合わせは限られます。
一方、造作キッチンは天板に天然木を使ったり、好きなタイルを選んだりして、オリジナリティを生み出せます。
キッチンだけでなく、床材や造作家具と素材をそろえて、住まい全体をトータルコーディネートすることも可能です。

料理スタイルにあわせたカスタマイズが可能

造作キッチンでは、シンクの大きさ、コンロまわりの作業スペース、収納の位置などを、毎日の料理の仕方にあわせて決められます。
システムキッチンでもある程度のカスタマイズは可能ですが、造作キッチンの方がより細かく指定できます。
例えば、天板の高さを使う方の身長にあわせて微調整できるため、無理のない姿勢をつくることが可能です。
今のお住まいのキッチンに対する不満を解消したり、理想の空間をつくったりできるのは造作ならではの魅力です。

ジャストサイズの調整で無駄なスペースが生まれない

造作キッチンは規格寸法に縛られないため、空間にぴったり収まるサイズでつくることができるのもメリットです。
例えば、壁との間にできるわずかなすき間も、ただパネルで埋めるのではなく、収納スペースとして最大限活用できます。
先ほどの実例で紹介したように、システムキッチンの規格だと対応できないようなスペースにも、ぴったり設置することができます。

修理しながら長く使いやすい

摩耗・故障した部分を交換・修理しながら、長く使えるのも造作キッチンのメリットです。
規格品で構成されているシステムキッチンは、年数が経つと対応する部品の生産が終了して、部分修理が難しくなることがあります。
一方の造作キッチンは1つずつつくったものなので、扉だけ、天板だけといった部分的な補修や交換が可能です。
手を入れながら長く付き合っていけるのは、造作ならではの強みといえます。

造作キッチンのデメリット

造作キッチンの木製引き出し

造作キッチンにはメリットだけでなく、注意すべきデメリットもあります。
後悔を防ぐ対策は次の章で解説しますので、ここではどんなデメリットがあるのかチェックしていきましょう。

初期費用は高め

オーダーメイドの造作キッチンは、大量生産される規格品のシステムキッチンと比べると費用は高くなる傾向があります。
選ぶ素材や設備のグレードによって金額の幅も大きく、要望をたくさん盛り込むと予算オーバーするリスクが高くなります。

掃除のしやすさではシステムキッチンより劣る

造作キッチンは、素材の選び方や納まり次第で、掃除に手間がかかることがあるのもデメリットの1つです。
例えば、ワークトップのタイルは目地に汚れが溜まりやすく、システムキッチンのステンレスや人工大理石より掃除の負担は増えます。
また、天然木の天板や面材も、水分や油分が染み込みやすく、掃除やメンテナンスの手間はかかる傾向があります。

決める部分が多く迷いやすい

自由度が高い反面、決める部分の多さが負担になりやすいのも造作キッチンのデメリットです。
あらかじめ用意された選択肢から選ぶのではなく、1から考える必要があります。
選択肢が多い分迷いやすく、ご自身に合わないサイズや設備を選んでしまうと、使いづらく感じる可能性もあります。

工期が長めにかかる

受注生産である造作キッチンは、プランが固まってから製作に入るため、在庫している部品を組み合わせるシステムキッチンより工期がかかる傾向があります。
また、前述したように決める箇所が多いことで、打ち合わせにも時間がかかります。

造作キッチンの後悔を防ぐ対策

大きな造作キッチン

先ほど挙げたデメリットを踏まえ、造作キッチンによる後悔を防ぐために、押さえておきたいポイントを紹介します。

理由や目的を明確にする

具体的な検討を進める前に、まず「なぜ造作キッチンを選ぶのか」という理由や目的を明確にしましょう。
おしゃれなデザインにしたい、収納を使いやすくしたい、理由は何でも構いません。
大切なのは、理想のデザインや使い勝手が、システムキッチンでは実現できないのかを一度確認しておくことです。
システムキッチンもサイズやデザインの選択肢が広がっており、求めるイメージに近いものが見つかるケースも少なくありません。
デザインにも使い勝手にも満足できるのであれば、費用や工期の面でシステムキッチンを選ぶメリットの方が大きくなります。
比較したうえで「造作キッチンでなければ実現できない」理由や目的が明確になれば、完成してから後悔するリスクを減らせます。

トータル予算を明確にして優先順位を確認

造作キッチンは仕様によって費用の幅が大きいため、まずは家全体にいくらかけられるのかを先に決めておくことが大切です。
そのうえで、キッチンにどこまで予算を配分するかを考え、その中で希望に優先順位を付けていきます。
費用を大きく左右するのは、次の4つです。

  • ・天板・扉材のグレード
  • ・シンクやコンロ、食洗機などの設備のグレード
  • ・サイズと形状
  • ・どこまでを造作にするか

例えば、素材の質感や設備の機能などにこだわりたい場合は、予算をかけてグレードを上げた方が満足度が高い造作キッチンをつくりやすくなります。
家族の人数が多く、複数人で料理をしたいなら、キッチンのサイズを大きくして、ワークスペースを広めに取ると使いやすいです。
すべてにこだわると予算オーバーになりやすいため、キッチンの使い方をイメージして優先順位を決めておきましょう。

デザインとメンテナンス性のバランスで素材を選ぶ

造作キッチンでは素材を自由に選べる分、見た目だけで決めてしまうとメンテナンスの面で後悔につながりやすいです。
素材ごとの特徴を知ったうえで、デザイン性とメンテナンス性のバランスを考えましょう。

※造作キッチンのワークトップの素材例

  • ・ステンレス:熱や水に強く手入れがしやすい。傷は目立ちやすい
  • ・人工大理石:色柄が豊富で継ぎ目が出にくい。熱や着色汚れに弱い
  • ・タイル:デザイン性が高く熱にも強い。目地の掃除に手間がかかる
  • ・天然木:温かみのある質感。水分や油分が染み込みやすく、定期的な手入れが必要

ワークトップを例に挙げると、代表的なものだけでも上記のような種類があり、それぞれ特徴が異なります。
タイルや天然木はデザインや質感が魅力ですが、メンテナンスの手間や経年変化を許容する必要があります。
毎日使う場所なので、10年後、20年後までどう付き合っていくかを考えながら、素材を選んでみてください。

使い勝手をシミュレーションしながら寸法を決める

高さや間口、奥行きなどを細かく調整できる造作キッチンは、なるべく実際に使うシーンをシミュレーションしながら寸法を決めていくのが理想的です。
例えば、天板の高さは「身長÷2+5cm」が目安と言われていますが、それだけで決めると完成後に違和感が出て後悔することがあります。
普段使っているスリッパやまな板の厚みなども考慮し、自然に作業できる高さを1cm単位で見極めていきましょう。
ワークトップの幅や奥行きなども、作業内容や料理する人数などにあわせて細かく調整します。
今のお住まいのキッチンを測ってみて、基準にするのも理想のサイズを判断する手がかりになります。

造作の実績が豊富な施工会社に相談する

矢島建設工業で造作家具を作っているプロの大工

実際に造作キッチンを手がけた実績が豊富な施工会社に相談するのも、後悔を防ぐ大切なポイントです。
造作キッチンは1からつくり上げるものですから、お施主様と担当者がイメージを共有し、二人三脚で検討を進めていく必要があります。
造作家具や造作キッチンを数多く手がけてきた施工会社であれば、予算やメンテナンスまで含めた現実的な提案が期待できます。

矢島建設工業では、100年以上培ってきた技術力と、自社施工体制を活かし、理想の造作キッチンがある住まいづくりをサポートいたします。
具体的なイメージが固まっていない段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。

矢島建設工業の造作家具

 

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造作キッチンに関してよくある質問

天然木を使った造作キッチン

最後に、造作キッチンを検討するときによくある質問にお答えします。

Q.ローコストでおしゃれな造作キッチンはつくれますか?

A.素材や設備の選び方など、工夫次第で費用を抑えやすくなります
造作キッチンの費用は、天板や扉の素材、設備のグレード、造作する範囲など複数の要素で変わります。
目につくところは好みの素材を使い、目立たない部分はグレードを抑えるなど、費用を調整することは可能です。
本体はシステムキッチンにして費用を抑え、カップボードや収納だけを造作するといった組み合わせも1つの方法です。
優先順位を整理したうえで、予算にあわせたプランを考えてみましょう。

Q.メーカーのオーダーキッチンとは何が違いますか?

A.つくり手と、選べる範囲が異なります
オーダーキッチンはキッチン専門のメーカーや工房が一邸ごとに設計・製作するものです。
基本的には、メーカーが扱う素材や仕様の中から選ぶことになります。
一方の造作キッチンは、メーカーの縛りがないため、素材や設備の自由度が高くなります。
オーダーキッチンは、システムキッチンと造作キッチンの中間的な選択肢と考えると分かりやすいです。

Q.DIYや後からの変更はできますか?

A.自由度は高いですが、DIYできないこともあります
造作キッチンは規格に縛られないため、後から手を加えやすい仕様にすることも可能です。
棚を追加する、扉を塗り替える、収納の仕切りを変えるなど、後から調整可能な仕様を選ぶことができます。
ただし、電気配線や配管に関わる変更は専門資格がないとできないため、施工会社への相談が必要です。
また、構造や取り付けに関する部分も、事故につながるリスクがあるためプロに相談しましょう。

Q.保証やアフターメンテナンスはどうなりますか?

A.設備機器は各メーカーの保証、造作部分は施工会社の対応となるのが一般的です
造作キッチンでは、コンロや食洗機、水栓などの機器はそれぞれのメーカー、キャビネットや天板といった造作部分は施工会社の保証が適用されるのが一般的です。
保証の範囲や期間、定期点検の有無は会社によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。

まとめ

造作キッチンは、素材もサイズもデザインも自由に決められる、住まいにあわせた1点ものです。
空間の形状に沿った設計や、家全体と素材をそろえたトータルコーディネートは、規格品にはない造作キッチンならではの魅力です。
一方で、初期費用や日々の手入れ、決めることの多さといった注意点もあります。
だからこそ、なぜ造作キッチンを選ぶのかを最初にはっきりさせ、予算の優先順位を決め、デザインと使い勝手のバランスを意識しながら進めることが大切です。
また、造作キッチンの後悔を防ぐためには、イメージを共有しながら一緒に形にしていける施工会社と出会えるかどうかがポイントになります。

矢島建設工業では、100年以上培ってきた技術力と、自社施工体制を活かし、理想の造作キッチンがある住まいづくりをサポートいたします。
具体的なイメージが固まっていない段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。

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